お茶に適した水を使い、それぞれのお茶にあった温度でいれることが、おいしいお茶をいれるコツです。

水を選ぶ

お茶をいれるのに適した水は、微酸性の「軟水」です。日本の水は、ほぼ微酸性の軟水ですので、水道水を使用しても問題ありませんが、水道水には塩素が含まれているため、必ず沸騰させてから使用しましょう。市販のナチュラルミネラルウォーターを使用する場合、外国産の多くはカルシウム・マグネシウムを多く含む「硬水」であるため、お茶をいれるには適当ではありません。

国産のものはほとんどが軟水ですが、ボトルに表記されている硬度を確認し、使用するとよいでしょう。その他、お茶をいれるには適さない水については以下のとおりです。

水質 お茶への影響
硬度(※)の高い水 お茶の成分、カテキン・カフェインと反応して味が淡白になり、香りも減少して濁った水色となる
酸性またはアルカリ性の水 酸性の強い水では水色は薄く、すっぱくなり、アルカリ性では赤黒っぽい水色になり、苦みを帯びる
塩素の多い水 水1L中に塩素が0.5mg以上含まれると塩素臭によって不快を感じる
塩分の多い水 水1L中に塩分が200mg程度で塩味を感じ、味を台無しにする
鉄やマンガンの多い水 鉄やマンガンが多いと金気を感じ、水色も黒褐色となり、著しく色調を損なう

※硬度・・・ミネラルウォーターには、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分(無機塩類)が含まれています。
この量の多寡を表わすのに使われる指標が「硬度」です。この硬度を基準にして、硬度が一定基準よりも高いもの(=ミネラル分が多いもの)が硬水、低いもの(=ミネラル分が少ないもの)が軟水です。

湯の温度と味・香り

お茶をいれる際のお湯の温度は、高ければよいというものではありません。
引き出したいお茶の特徴や成分によって、最適なお湯の温度があります。

お茶のおいしさや成分を効率的に引き出すお湯の温度

お湯の温度は、それぞれのお茶のおいしさを引き出す重要なポイントとなります。それは、お湯の温度によって浸出するお茶の香味成分が異なるためで、例えば、渋み成分のカテキンは80度以上の高温で、旨み成分のアミノ酸は50度以上の低温で溶け出しやすいとされています。煎茶の場合、渋みを抑えて旨み成分を引き出すため70~80度で、旨み成分を引き出したい玉露は50度程度の低温でじっくりと、逆に香りが特徴の玄米茶・ほうじ茶・中国茶(種類による)・紅茶は100度の熱湯を使用して、香りや渋みの成分を引き出します。

渋い煎茶が好みの場合や緑茶の健康成分、カテキンを効果的に摂取するためには、カテキンを多く含む茶葉を選び、高温のお湯を使用するとよいでしょう。