お茶の生育に必要な主な肥料成分は、窒素・リン酸・カリ・石灰・苦土(マグネシウム)や硫黄です。特に窒素・リン酸・カリは下記のような働きがあるといわれていますが、消耗や流出が激しいために肥料として必要に応じて補給する必要があります。

肥料 作用
窒素 地上部の生育の促進(葉や茎の生育を良くする)。葉緑素の骨格をつくる。お茶の旨み成分を増す。
リン酸 細胞分裂を促す。根の伸長の促進。
カリ 細胞液の浸透圧の維持や炭水化物代謝などに働く。耐寒性を増すともいわれている。

お茶は肥料要求性が高く、肥料、特に窒素肥料を多く施用するほど旨みがのるといわれます。ところが、お茶が吸収できる肥料分には限度があるため、肥料を必要以上に多く施用すると吸収利用率は大きく低下します。
また、過剰な施肥はお茶の根にも障害を与えるため、吸収利用率を低下させることになり、それを補うためにさらに多量の肥料を施用するという悪循環に陥ることがあります。そこで、現在は収量・品質は一定以上の水準を維持させつつ、肥料を減らす努力が各地で行われています。