古来から行われてきた手摘みは、高品質な反面、能率が悪くコストが高くなるため、現在一部の地域や上級茶、特別早期の場合を除いてほとんどが機械摘みです。
現在、国内で行われている摘採方法には、手摘み・はさみ摘み・機械摘みがあり、さらに機械摘みの方法は機械の大きさや使用方法などで、携帯型・可搬型・自走型・乗用型・レール式などに分類されます。いずれの摘採方法にしても、その摘採技術の巧拙が生葉の品質と収量に大きく影響するため、細心の注意を要します。参考までに摘採方法の違いによる摘採能力の一覧を示します。

作業手段 手摘み

動力
(可搬型)
動力
(乗用型)
組人員 (人) 1 2 2(1名は搬入)
1時間あたり摘採量 (kg) 1~3 200~250 650~700
1時間あたり作業面積 (アール) - 10 13
1日8時間あたり作業量 (アール) - 35〜40 100
圃場条件 - 平坦、緩傾斜
畝の長さ 100m
平坦、傾斜15度以下
畝の長さ 100m

主産国では手摘みされている紅茶の摘採

インド・スリランカ・ケニアなどの主産国では、すべて手摘みで行われています。
近年では、品種改良・製茶法・製造工程の変更などの理由から、柔らかい第3葉を含めて「1芯3葉摘み」が一般的となっています。
スリランカでは、茶園にもよりますが「茶摘み婦」が1日3回、通常10~20kg、繁忙期には20~30kg、熟練者は通常30~40kg、最高45~50kgも摘んでいます。