原料となる生葉が、最適なタイミングや高い技術によって摘採されることで、質が高くおいしい日本茶がつくられています。
摘採は、茶樹の栽培における最終作業であり、摘採の適否や巧拙は、生葉の収量とお茶の品質に直接影響するので、もっとも注意を要する作業です。
品質と収量は逆の相関関係にあり、これはお茶の摘採が、新芽が成長している中で行われるためです。摘採時期が遅れると、収量は多くなりますが、品質は低下します。また、主成分であるカフェイン・カテキン・アミノ酸(テアニン)などは、新芽の成長とともに次第に増加しますが、葉が硬化して芯芽が止まる状態になると急激に減少し、粗繊維が増加して品質の低下につながります。したがって、良質を保ちながら多くの収量を確保する摘採時期を見極めることが重要であり、また、それが摘採適期となるのです。
摘採適期の判定基準は、現状では、下記の方法などがあります。


出開度:50〜80%、開葉期:3〜5枚の時期にあたる。特に、出開度70%、開葉期4〜5枚時期の摘採が望ましい。
出開度:新芽の内で芯が止まった芽の割合。50〜80%が適期。
出開き…茶芽が完全に開葉し、それ以上伸長しないこと。
芯………未展開の芽先のこと。
開葉数:一番茶では4〜5枚、二番茶・三番茶は4枚程度。
新芽長:一番茶では10cm内外、二番茶・三番茶は6〜7cmのものを5〜6cmに摘採する。
静岡県における一番茶の摘採時期は、4月中旬から5月中旬。次回の摘採期までの期間を考えて、一番茶摘採後45〜50日で二番茶を摘採、二番茶と三番茶の間隔を35〜40日のように農作業の配分を行います。
下記に各県別の摘採期の一例を示しますが、同じ県内でも茶園の立地条件により、実際の摘採日は前後します。
| 県名 | 一番茶 | 二番茶 | 三番茶 | 四番茶 ・秋冬番茶 |
|---|---|---|---|---|
| 種子島 | 3月下旬 〜4月上旬 |
5月下旬 〜6月上旬 |
7月上旬 〜7月中旬 |
9月中旬 〜9月下旬 |
| 鹿児島 | 4月上旬 〜5月上旬 |
6月上旬 〜6月下旬 |
7月中旬 〜8月上旬 |
9月中旬 〜10月上旬 |
| 静岡 | 4月中旬 〜5月中旬 |
6月中旬 〜7月中旬 |
7月下旬 〜8月上旬 |
9月下旬 〜10月上旬 |
| 三重 | 5月上旬 〜5月下旬 |
6月下旬 〜7月上旬 |
- | 8月下旬 〜9月中旬 |
| 奈良 | 5月中旬 〜6月上旬 |
7月上旬 〜7月下旬 |
- | 8月下旬 〜9月中旬 |
古くから行われてきた手摘みは、品質はよいのですが作業効率が悪くてコスト高になってしまうため、現在は一部の地域や上級茶、特別早期の場合を除いて、ほとんどが機械摘みです。
現在、国内で行われている摘採方法には、手摘み・はさみ摘み・機械摘みがあり、さらに機械摘みの方法は機械の大きさや使用方法などで、携帯型・可搬型・自走型・乗用型・レール式などに分類されます。いずれの摘採方法にしても、その摘採技術の巧拙が生葉の品質と収量に大きく影響するため、細心の注意を要します。
参考までに摘採方法の違いによる摘採能力の一覧を示します。
| 作業手段 | 組人員(人) | 1時間あたり摘採量(kg) | 1時間あたり作業面積(アール) | 1日8時間あたり作業量(アール) | 圃場条件 |
|---|---|---|---|---|---|
| 手摘み | 1 | 1〜3 | - | - | - |
| 動力 (可搬型) |
2 | 300〜400 | 5〜6 | 30〜50 | 平坦、緩傾斜畦の長さ20m |
| 動力 (乗用型) |
2 (1名は 搬入) |
600〜800 | 10 | 80 | 平坦、傾斜15度以下畦の長さ200m |
手摘み
可搬型
乗用型
秋整枝を行った場合に遅れ芽が出たときや、越冬中に古葉が風で立ち上がるなど、摘採面が不均一になったときに実施されます。3月ころに越冬葉に触れない程度に行います。整枝は、実施する時期によって秋整枝・春整枝・再整枝・一番茶後の整枝があります。
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